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いので非常に心強く感じました。私たちは、このように参加したい、参加していらっしゃる、そういう力のある福岡市民を背景に、どこよりもやさしさと豊かさが実感できる、福岡型福祉社会の実現をめざして福祉のシステムをつくっております。
それは一言で言えば「自助・互助・公助」です。自助というのは自分で助ける、互助というのは相互に助ける、公助というのは公が助ける、そういうバランスのとれた福祉を実現するということをめざしているわけです。
例えば自助は、生涯健康で尊厳をもって生きることができる、この「健康づくりセンター」はその中心・シンボルです。ですからここをネットワークの中核にしながら、いろいろな人が、どんなところでも健康で健康について学べる、そして自分の健康を維持できるというようなシステムを作っております。それからいろいろな障害があっても、自力で生きていくことができるバリアフリーの社会、まちづくりをめざしております。例えば道路を整備するとか、建物をハートビル法にかなったものをつくっていくことです。そういうものの基礎になるものとして、福祉条例を皆さん市民の総意でつくり、すばらしい社会を作っていこうということでまちづくりの条例を今、研究しているところです。皆さんにどんどん参加していただき、いい条例を作っていきたいと思っています。
互助につきましては、市民みんなで支えあって本当の豊かさを実感したいということです。例えばホームヘルプサービスは市民福祉サービスというところで、登録ボランティアが今1500人ほどいらっしゃいますけれど、こういう市民の方を中心にサービスを供給しているわけです。それから社会福祉協議会。先ほど大きな組織がないと田中さんが言われましたが、社会福祉協議会や自治会というものも非常に日本的なボランティアの組織だと思います。この社会福祉協議会を中心として、市社協という市の中心があり、それから区社協があります。これは法人格をもっており、専任の職員がきちんとおります。ここは何億というお金を使っております。それから各校区148校区のうち141の社会福祉協議会ができております。
このなかで例えば、配食サービス「ふれあいランチ」、週2回ボランティアの方が1人暮らしおよび虚弱高齢者の世帯に配食をしているサービスがあります。それから民間デイサービスとも言いますが、「ふれあいサロン」というのがあります。実は今日、そのなかの1つ室住団地というところを見学してまいりました。このサロンは週に1回ですが、虚弱高齢者、全盲の88歳の1人暮らしの高齢者、片マヒの高齢者などもいらっしゃいましたが、そういう方が20人くらいで、ボランティアの方が10何人おられます。体操をしたり、血圧を測ったりしています。私たちも一緒に体操したり歌を歌ったりしましたが、そうやって体を動かす訓練をしています。そこの責任者の方が言われていましたが、それまでその室住団地では1年に1人か2人弧老死があった。「どうもあの家おかしい、臭うから見てくれ」と言われて団地の会長さんが開けてみるとやっぱり亡くなっていたというようなことがあった。ところが、このデイサービスが始まって2年ですけれど、弧老死がなくなったというふうに言われております。週1回でも人とのつながりがもてると、1人になることはないわけですね。
これから私たちは、こういうものを元に「地域ふれあいネットワーク事業」ということで、各校区でみんなが見守りをしていこうというようなシステムをつくろうと考えています。これが社会福祉協議会を中心とした互助ボランティア活動の活動実態です。

 

 

 

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